梅干しを食べていますか?
少し前にニュースに流れていましたが、若者の梅干し離れが起こっています。
そのため1世帯(2人以上)あたりの消費量が2002年1053g、2021年638gと4割りも減ってしまいました。(総務省家庭調査より)
梅干し業者さんにとっては、売り上げ減で辛い日が続いています。
特に若者の間で食べられておらず梅干し離れが進み、その原因は強い酸味が苦手なそうです。
梅干しの歴史は1500年前に中国から伝わり、最初は薬として扱われてきました。その後戦国時代では栄養・保存の面から兵糧(戦争時における軍隊の食糧のこと)の一つとして重宝されました。
梅干し1つあればご飯を何杯もいただけ、喉が渇いた時など梅干しをみて唾液をうながし、喉を潤していたとも聞きます。
その後江戸時代は庶民にも広がり、保存食・飢饉時の備蓄食、体調を整えるためになくてはならないものになりました
今回この記事では昔から食べられてきた梅干しに焦点をあてて
- 梅干しの栄養・効果
- 梅干しの種類
- 梅干し料理
など詳しく解説します。
今回調べてみてインフルエンザ抑制効果もあると知り、2月の受験期にはもってこいの食材だと感じます。
梅干しのことを知って少しでも家庭に登場する機会を増やしてくださいね!現代人とくに若者に梅干しの魅力・栄養・効果など伝わってほしいものです。
梅干しを食べたらこんなにいい!
梅干しにはこんな効果があります。
- 疲労回復効果
- 胃腸を活性化
- 腐敗防止
- 血糖値上昇をゆるやか
- カルシウム吸収を助ける
- インフルエンザ予防
疲労回復効果
梅干しの売り上げは6月から急に伸び、7、8月も維持するそうです。疲れた時や暑い時など酸味のものが欲しくなるように無意識のうちに梅干しも食べたくなるのかもしれません。
梅干しにはクエン酸、リンゴ酸、コハク酸などの有機酸成分が含まれ、この成分により疲労回復効果が生まれます。特にクエン酸には疲労物質の乳酸の生成が抑制され、また分解します。
運動する前に食べると疲れにくくなりそうですね。
胃腸を活性化
この有機酸成分(クエン酸、リンゴ酸、クエン酸)には唾液や胃液、消化酵素の分泌を促して胃粘膜を保護し、腸のぜんどう運動も促して便通も良くしてくれます。
戦国時代などは喉の渇きを潤すために梅干しをみて、唾液を増やしていたのなどの話も聞きます。
ちなみに唾液に含まれる消化酵素はアミラーゼといい、食べ物を噛むことによって混ざり合い、炭水化物(デンプン)を糖(麦芽糖)へと分解してくれます。
梅干しのすっぱさを知っている人は、見てるだけで伝わり唾液がでそうですね。
腐敗防止
クエン酸の働きにより、細菌の増殖を抑え腐敗を防ぐ役割があります。夏場に心配のお弁当に梅干しを入れるのは理にかなっています。
塩分15%以上の昔ながらの梅干しは常温においてもほとんど腐ることもありません。
私がつけている20%の梅干しは10年前のものも変わらずおいしくいただけます。100年ももつ梅干しもあるそうなので保存性は高いです。
特に赤紫蘇に漬けている梅干しは、赤紫蘇に含まれるペリルアルデヒドによりさらに保存生を高めてくれます。昔の人の組み合わせには脱帽するしかありません。
梅干しを入れて炊いたご飯は本当に傷みづらく感じます。実験した梅農家さんがいて普通のご飯との差は歴然でした。
血糖値上昇をゆるやか
梅干しに含まれるオレアノール酸というポリフェノール成分が糖質の消化吸収を穏やかにし、食後の血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。
白米は、雑穀米や玄米などにより血糖値が上がりやすいので食べられる時は食卓に出すといいでしょう。
食後の血糖値が上昇すると眠気が襲ってくるので、受験生にとってはありがたい効果ですね。
カルシウム吸収を助ける
梅干しに含まれるクエン酸の効果により、体内で吸収しづらいカルシウムの吸収を助けます、
クエン酸はカルシウムを挟んで溶けやすくするキレート作用という力を持っているので、 梅干しを食べることでキレート作用により効率的にカルシウムを摂取できるのです。
梅干しのクエン酸にはカルシウム吸収効果まであるとは驚きです。
インフルエンザ予防
梅干しにはインフルエンザウィルス増殖を抑制させる効果があります。
和歌山県立医科大学の研究によると梅酢ポリフェノール(エポキシオニレシノール)がこの抑制に関与しているそうです。
和歌山県には昔から梅干しを食べると風やインフルエンザにかからないと言よく言われていたそうです。そのことを科学的に検証したく研究を始めたのがきっかけみたいです。
はじめて知りましたが昔から梅干しは医者いらずと聞くので効果があるのは必然なのかもしれません。
梅干しにはどんな種類がある?
塩漬け(白干梅干し)
梅を塩だけでつけてその後干した梅干し。塩分濃度は15〜20%と高めで、塩味と酸味を楽しめます。
紫蘇を入れていないので白く、梅の味を味わえる梅干しになります。産地や品種も味に影響する梅干しです。
赤紫蘇漬け(赤紫蘇梅干し)
途中までは塩漬けと一緒で梅を塩でつけて梅酢があがってから、塩でよく揉み込んでアクをだした赤紫蘇と混ぜます。
酸の効果で綺麗な赤色になり、梅に色がつきます。紫蘇の香と味わいを楽しめる梅干しです。
紫蘇を入れることにより、保存性も高まることも検証されています。
この赤紫蘇を天気のいい日に干したものがゆかりになります。赤紫蘇梅干しを漬けると自動的に自家製ゆかりもできるのでおすすめです。
自家製ゆかりは香、味もよくうちの子供達にも人気です。塾のおむすびやお弁当などによく使用します。
甘味漬け(はちみつ梅干し)
塩分濃度が10%以下と低く、はちみつや砂糖などと合わせた梅干し。塩分濃度が低いので冷蔵庫に入れるのが必須で、早めにいただきます。
商品によっては添加物入りもあるかもしれません。優しい甘さと塩味なので酸味が苦手な方などに喜ばれます。
添加物入っている梅干し
塩分濃度が低い梅干しや色が濃い梅干しなどは添加物が入っている可能生があります。主にアミノ酸、甘味料(スクラロース)、着色料などが使われています。
添加物を取りたくない方はラベルをみて、梅、塩、紫蘇、蜂蜜などシンプルな材料だけを使用している梅干しを購入しましょう。
自分で作れば確実に無添加の梅干しが食べられます。
無農薬で無添加の梅干し
梅干しが腐らない理由
梅干しが腐らない理由に塩、クエン酸、赤紫蘇が大きく関わっています。
腐敗とは
腐敗とは空気中の微生物が食材に付着し、時間とともに増殖して食材の成分を分解して腐敗します。
腐敗を防ぐクエン酸と塩
梅に塩をして重しをすると梅酢が上がってきます。この梅酢には有機酸がふくまれていてその中のクエン酸には強力な殺菌作用があり、腐敗菌をやっつけます。
塩が多い(塩分濃度が高い)環境だと腐敗菌は生きていけません。そのため梅干しにはクエン酸、塩のダブルの殺菌効果により保存性が高いといえます。
そのため塩分濃度が低い梅干しなどは腐敗菌を除去できないので保存性が低くなります。冷蔵庫に入れたり、早めにいただくなどの対策が必要です。
塩分濃度は最低でも15%以上は必要と言われています。
赤紫蘇はさらに保存性を高める
赤紫蘇にはペリルアルデヒドが含まれます。ペリルアルデヒドには強い抗菌作用がありより梅干しの保存生を高めてくれます。
クエン酸、塩、赤紫蘇の組み合わせで協力な保存性になり、梅干しは保存食として昔から食べれてきました。
梅干しの食べ方
梅干しにはいろいろな食べ方があります。
- おにぎり
- 夏場のおにぎりで安心できる具材のNo. 1。酸味と塩気はご飯と海苔に合うので一番の組み合わせです。
- おかゆ
- 食欲がない時や体調が悪い時にいただくおかゆ。梅干しの酸味や塩気で食欲がない時などにもいただけます。梅干しには消化酵素の分泌を促してくれる働きもあります。
- お茶漬け
- ご飯に梅干しをのせ、お茶やお出汁をかけ、梅干しの塩気・酸味でいただきます。梅干しには二日酔いを抑える効果があるので、二日酔いになったら朝食にいただくといいでしょう。
- 炊き込みご飯
- ご飯を炊く時に1〜2個入れて炊きます。炊けたら種を除いて混ぜます。一緒に炊くとご飯が傷みにくく、夏場などにおすすめです。お弁当のご飯やおにぎりにすると安心できますね。
- 梅干し煮
- 鰯や鯵などを炊く時に梅干しを入れて炊くと梅の酸味で臭みが和らぎます。魚にはトリメチルアミンという臭み成分があり梅の酸味により中和されるためです。
- 梅肉
- 梅を裏漉して、切った胡瓜や長芋をつけていただきます。みりんで伸ばして白身魚のお刺身や鱧などをつけてもおいしいです。練り梅として商品もあります。
- 焼き梅
- 梅干しをフライパンや網にのせてガスや炭火で焼きます。昔はこれを風薬にしていました。焼くことにより脂肪燃焼効果があるバニリンや血流改善や新陳代謝上昇のムメフラールが増加するそうです。
- 梅湯
- コップに梅干しを入れてお湯をそそぎ、つぶしながらいただきます。私もたまに朝飲んで元気をもらっています。
まとめ
梅干しのついて詳しく解説してきました。梅干しは
梅干しの効果
- 疲労回復効果
- 胃腸を活性化
- 腐敗防止
- 血糖値上昇をゆるやか
- カルシウム吸収を助ける
- インフルエンザ予防
梅干しの種類
- 塩漬け(白干梅干し)
- 梅を塩だけでつけてその後干した梅干し。塩分濃度は15〜20%と高めで、塩味と酸味を楽しめる梅干し。
- 赤紫蘇漬け(赤紫蘇梅干し)
- 梅を塩でつけて梅酢があがってから、塩でよく揉み込みアクをだした赤紫蘇と混ぜる。紫蘇の香と味わいを楽しめ梅干し。
- 甘味漬け(はちみつ梅干し)
- 塩分濃度が10%以下と低く、はちみつや砂糖などと合わせた梅干し。塩分濃度が低いので冷蔵庫に入れるのが必須で、早めに食べる。
梅干しくさらない理由
- クエン酸
- クエン酸の強力な殺菌作用により腐敗菌を撃退する
- 塩
- 梅干しを漬ける時の塩分が15%以上の場合は、塩が多い(塩分濃度が高い)環境なので腐敗菌は生きていけないため。
- 赤紫蘇
- 赤紫蘇にはペリルアルデヒドが含まれ、ペリルアルデヒドには強い抗菌作用がありより梅干しの保存生を高めてくれる。
梅干し料理
- おにぎり
- 夏場のおにぎりで安心できる具材のNo. 1。酸味と塩気はご飯と海苔に合うので一番の組み合わせです。
- おかゆ
- 食欲がない時や体調が悪い時にいただくおかゆ。梅干しの酸味や塩気で食欲がない時などにもいただけます。梅干しには消化酵素の分泌を促してくれる働きもあります。
- お茶漬け
- ご飯に梅干しをのせ、お茶やお出汁をかけ、梅干しの塩気・酸味でいただきます。梅干しには二日酔いを抑える効果があるので、二日酔いになったら朝食にいただくといいでしょう。
- 炊き込みご飯
- ご飯を炊く時に1〜2個入れて炊きます。炊けたら種を除いて混ぜます。一緒に炊くとご飯が傷みにくく、夏場などにおすすめです。お弁当のご飯やおにぎりにすると安心できますね。
- 梅干し煮
- 鰯や鯵などを炊く時に梅干しを入れて炊くと梅の酸味で臭みが和らぎます。魚にはトリメチルアミンという臭み成分があり梅の酸味により中和されるためです。
- 梅肉
- 梅を裏漉して、切った胡瓜や長芋をつけていただきます。みりんで伸ばして白身魚のお刺身や鱧などをつけてもおいしいです。練り梅として商品もあります。
- 焼き梅
- 梅干しをフライパンや網にのせてガスや炭火で焼きます。昔はこれを風薬にしていました。焼くことにより脂肪燃焼効果があるバニリンや血流改善や新陳代謝上昇のムメフラールが増加するそうです。
- 梅湯
- コップに梅干しを入れてお湯をそそぎ、つぶしながらいただきます。私もたまに朝飲んで元気をもらっています。