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よく一物全体という言葉は聞きますが、実践できている人は極一部の人かもしれません。
一物全体とは「ひとつの物は全体でひとつの命であり、それを丸ごと余すところなくいただく」という考え方です。
たとえば野菜は皮や葉などをいただく葉つき大根、お米は精米しない玄米、小麦粉は精白しない全粒粉、魚は頭、骨をいただく鰯の丸干しやしらすなどとなります。
一物全体は丸ごと余すことなくいただくため、栄養素が豊富にとれ、体調がよくなり免疫力が上がり、捨てるものがないので環境にもやさしくなります。
今回のこの記事は
- 一物全体とは?
- 一物全体の具体例
- 一物全体のメリット
- 一物全体の注意点
を詳しく解説します。
プロフィール
- 40代で料理系の仕事20年以上。調理師免許所時。
- 小学生双子の父親で料理を毎日担当。
- 3年間受験にむけて頑張っている子供の為に料理を日々勉強中。
一物全体とは?
一物全体の意味
一物全体とは、「ひとつの物は全体でひとつの命であり、それを丸ごと余すところなくいただく」という考え方です。
食材を本来の姿のまま、皮や種、葉など余すところなく食べることで、そのものの持つ栄養素を最大限に活かすことができます。
たとえば魚は頭から尾まですべていただきます。野菜は根、皮、葉まですべていただき、穀物は精白しない玄米、全粒粉になります。
お肉は牛や豚肉は大きく全てをいただくのは難しいですが、鶏肉なら丸鶏が買えるので比較的扱いやすいと思います。
いつから唱えられた?
昔の日本の生活はまさに一物全体の食のあり方だったと思われます。
江戸時代に著書「養成訓」の貝原益軒(かいがらえきけん)が食材を丸ごと食べることの大切さなどを述べています。
その後明治に入り玄米食の大切さを伝えた石塚左玄が「一物全体」「身土不二」「陰陽調和」などを唱えました。
一物全体の具体例
一物全体とは具体的にはどのようなものでしょうか。野菜、魚、肉、穀物で詳しく解説します。
野菜
野菜には葉、皮、根などがあり、一番わかりやすいのは皮ごといただくことになります。
根菜
大根、人参、蓮根、牛蒡などの根菜類は皮ごと調理していただきます。
普段の料理で皮が気にならない時などは皮をよく洗い、煮物、炒めものなどに使用します。
人参などはたまに皮ごと調理すると黒くなる場合がありますので、来客やお祝いごとなどには皮を除いてくださいね。
ごぼうなどは表面に近いところに香り、栄養があるのでなるべく包丁などでこそげないで、たわしなどで泥をのぞく程度に優しく洗いましょう。
大根などの葉はビタミンC、βカロテンなどが豊富なので、炒め物、味噌汁などに使用します。おでんや風呂吹き大根で皮をむくときは、皮を食べやすく切り、醤油、酒につけておけば醤油漬けとしていただけます。
ブロッコリ−
ブロッコリーは茎も捨てがちですが、茎の部分もいただけます。皮は硬いので厚く向いて中の柔らかいところを茹でたりあげたりしてていただけます。
ホクホクとした食感がありおいしいものです。
玉ねぎ
玉ねぎの茶色い皮も捨てがちですが水で煮て野菜だしとして使用できます。
自衛隊カレーは玉ねぎ、人参、じゃがいもの皮をよく洗い、むいたものを集めて野菜だしを取り、カレーの水分として使用しているそうです。
自衛隊カレーのおいしいという評判はこの野菜だしのおかげかもしれないですね。
魚
魚の丸ごといただくことで一物全体といえます。
一番わかりやすいのがしらすや煮干しなどの鰯の稚魚になります
しらす
鰯の稚魚で採れたてを塩茹でしたものです。そのまま茹でたものを釜揚げしらす、茹でて少し干したものをしらす干し、乾燥させたものをちりめんじゃこと言います。
子供にも食べやすく栄養も取れやすいのでおすすめの魚となります。
鰯
小羽、中羽、大羽とあります。小羽や小さめの中羽などは煮たり、揚げたりしたら頭、骨ごといただけます。大羽は、丸ごとはなかなか難しいですが三枚おろしにした時などは中骨を油でゆっくりと揚げれば骨せんべいとしていただけます。
鯵
豆鯵(小さい鯵)などは素揚げすれば唐揚げ、それを酢につけた南蛮漬けとして丸ごと頂けます。それ以外の鯵は三枚おろしにし、残った頭、中骨はだしとして取り、味噌汁、スープだしなどに使用できます。
この魚だしでご飯を炊いてもおいしいです。
鯛
鯛も全て食べられ、頭はかぶと焼きやアラ炊き、中骨は頭と一緒に潮汁、上身はお刺身、焼き物などに使用できます。
魚はすてるところは本当にないので切り身だけを使用するのではなく、頭や中骨なども上手に利用するといいですね。
肉
牛肉、豚肉などは大きすぎてすべてをいただくことは難しいですが、鶏肉なら小さいのですべてものもをいただくことはできます。
丸のまま焼けばローストチキン、水や香味野菜と一緒に煮れば、スープまたはラーメンだしになります。内臓のレバー、砂肝、ハツなども焼いても煮てもいただけます。
内臓系の栄養はビタミン、鉄、亜鉛など栄養素が豊富にあります。苦手の方もいると思いますがなるべく取るようにしましょう。
身と骨をわけて骨の鶏ガラは鶏だしとして取れ、スープ、ラーメンだし、雑炊だし、味噌汁だしなどいろいろなもの使用できます。
穀類(米・小麦)
穀類の一物全体は精白しないものになります。お米なら精米しない玄米、小麦なら精白しない全粒粉になります。
玄米
玄米には胚芽や表皮の部分にビタミン、ミネラル、食物繊維が多く全体の90%もあり、これを取り除いた(糠)白米は栄養が少なくなってしまうのも頷けます。
白米が流行った江戸時代に脚気が流行ったのもビタミンB1不足が原因でした。
そこで生まれたのが糠を使ったぬか漬け。野菜を漬け込むことにより、糠のビタミンB1が漬けた野菜に染み込み、食事として食べることによりある程度脚気の予防効果になったと言われています。
栄養の知識がまだなかった時代にこのように循環を無意識に考えた昔の人の感覚には驚きを隠せませんね。
全粒粉
小麦粉の全粒粉は普通の小麦粉と比べビタミン、ミネラル、脂質が豊富なことが特徴です。なかでもビタミンB1、カリウム、鉄、マグネシウム、食物繊維などは豊富にあります。
全粒粉の特徴としては、独特の風味があり香ばしく、噛めば噛むほど味がでます。
一物全体のメリット
栄養素を効率よく摂取できる
皮や葉、根には、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、健康維持に必要な栄養素が豊富に含まれています。
これらの栄養素をバランスよく摂取することで、健康な体づくりに役立ちます。
免疫力があがる
食材を丸ごと食べることで、たとえば玄米、全粒粉などは食物繊維を多く含んでいるの摂取できます。
食物繊維は、消化を促進し、便秘を解消する効果があり、また腸内環境を整えて、免疫力を高める効果も期待できます。
食の無駄を減らせ・節約できる
普段なら捨ててしまう部分を食べることで、食材を無駄なく活用することができます。これにより、食費も節約することができます。
一物全体の注意点
汚れや農薬
皮や葉、根を食べる前に、必ず汚れや農薬をしっかり洗い流しましょう。可能であれば、有機栽培や無農薬栽培の食材を選ぶと安心できます。
ざっと洗うよりは使用するまで水につけておくなどするだけで減少しますので参考にしてください。
それでも気になる方はこちを使用するのもいいでしょう。
苦味やえぐみ
皮や葉、根には、苦味やえぐみがある場合があります。
苦手な場合は茹でる、浸水させるなどありますが、無理して食べることはありません。
消化しにくい
皮や葉、根には消化しにくい場合があります。
玄米などはよく噛まないと消化不良を起こすので意識していただきましょう。子供は苦手な子もいるのでその時は白米に雑穀(麦など)などを入れて栄養を補ってください。
その他に細かく刻んだり、よく煮込んだりしてから食べるようにしましょう。
一物全体は、健康的な食生活を送るための有効な手段ですが、上記のような注意点も理解した上で、無理のない範囲で実践することが大切です。
まとめ
一物全体について詳しく解説しました、
一物全体は、健康的な食生活を送るための有効な手段ですが、できるところから無理ない範囲で進めてください。
無理して子供が嫌いになってしまっては元も子もないですので。注意点も理解した上で、無理のない範囲で実践しましょう
一物全体
- 一物全体
- ひとつの物は全体でひとつの命であり、それを丸ごと余すところなくいただくという考え方
- いつから?
- 江戸時代に著書「養成訓」の貝原益軒(かいがらえきけん)が食材を丸ごと食べることの大切さなどを述べていて、その後明治に入り玄米食の大切さを伝えた石塚左玄が「一物全体」「身土不二」「陰陽調和」などを唱えた
一物全体の具体例
野菜
- 根菜
- 大根、人参、蓮根、牛蒡などの根菜類は皮ごと調理。普段の料理で皮が気にならない時などは皮をよく洗い、煮物、炒めものなどに使用します。
ごぼうなどは表面に近いところに香り、栄養があるのでなるべく包丁などでこそげないで、たわしなどで泥をのぞく程度に優しく洗う。大根などの葉はビタミンC、βカロテンなどが豊富なので、炒め物、味噌汁などに使用します。 - ブロッコリー
- ブロッコリーは茎も捨てがちですが、茎の部分もいただけます。皮は硬いので厚く向いて中の柔らかいところを茹でたりあげたりしてていただける。ホクホクとした食感がありおいしい。
- 玉ねぎ
- 玉ねぎの茶色い皮も捨てがちですが水で煮て野菜だしとして使用できる。自衛隊カレーは玉ねぎ、人参、じゃがいもの皮をよく洗い、むいたものを集めて野菜だしを取り、カレーの水分として使用している。
魚
- しらす
- 鰯の稚魚で採れたてを塩茹でしたもの。そのまま茹でたものを釜揚げしらす、茹でて少し干したものをしらす干し、乾燥させたものをちりめんじゃこと言う。子供にも食べやすく栄養も取れやすいのでおすすめの魚。
- 鰯
- 小羽、中羽、大羽とある。小羽や小さめの中羽などは煮たり、揚げたりしたら頭、骨ごといただける。大羽は、丸ごとはなかなか難しいですが三枚おろしにした時などは中骨を油でゆっくりと揚げれば骨せんべいとしていただける。
- 鯵
- 豆鯵(小さい鯵)などは素揚げすれば唐揚げ、それを酢につけた南蛮漬けとして丸ごといただける。それ以外の鯵は三枚おろしにし、残った頭、中骨はだしとして取り、味噌汁、スープだしなどに使用できる。
この魚だしでご飯を炊いてもおいしい。 - 鯛
- 鯛も全て食べられ、頭はかぶと焼きやアラ炊き、中骨は頭と一緒に潮汁、上身はお刺身、焼き物などに使用できる。
肉・穀類
- 肉
- 牛肉、豚肉などは大きすぎてすべてをいただくことは難しいが、鶏肉なら小さいのですべてものもをいただくことはできる。
丸のまま焼けばローストチキン、水や香味野菜と一緒に煮れば、スープまたはラーメンだしになる。内臓のレバー、砂肝、ハツなども焼いても煮てもいただける。
内臓系の栄養はビタミン、鉄、亜鉛など栄養素が豊富にある。 - 玄米
- 玄米には胚芽や表皮の部分にビタミン、ミネラル、食物繊維が多く全体の90%もある。
- 全粒粉
- 小麦粉の全粒粉は普通の小麦粉と比べビタミン、ミネラル、脂質が豊富なことが特徴です。なかでもビタミンB1、カリウム、鉄、マグネシウム、食物繊維などは豊富にある。
一物全体のメリット
- 栄養素を効率よく摂取できる
- 皮や葉、根には、ビタミン、ミネラル、食物繊維など、健康維持に必要な栄養素が豊富に含まれている。
これらの栄養素をバランスよく摂取することで、健康な体づくりに役立つ。 - 免疫力があがる
- 食材を丸ごと食べることで、たとえば玄米、全粒粉などは食物繊維を多く含んでいるの摂取できる。
食物繊維は、消化を促進し、便秘を解消する効果があり、また腸内環境を整えて、免疫力を高める効果も期待できる。 - 食の無駄を減らせ、節約できる
- 普段なら捨ててしまう部分を食べることで、食材を無駄なく活用することができる。これにより、食費も節約することができる。
一物全体の注意点
- 汚れや農薬
- 皮や葉、根を食べる前に、必ず汚れや農薬をしっかり洗い流す。可能であれば、有機栽培や無農薬栽培の食材を選ぶと安心できる。ざっと洗うよりは使用するまで水につけておくなどするだけで減少する。
- 苦味やえぐみ
- 皮や葉、根には、苦味やえぐみがある場合がある。苦手な場合は茹でる、浸水させるなどありますが、無理して食べることはない。
- 消化しにくい
- 皮や葉、根には消化しにくい場合がある。玄米などはよく噛まないと消化不良を起こすので意識していただだく。子供は苦手な子もいるのでその時は白米に雑穀(麦など)などを入れて栄養を補う。