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手軽な出汁で欠かせない食材、それが「煮干し」です。
世界のだしは、フランスのフォンドーボーなど出来上がるまでに1時間以上かかります。
日本のだしは、一番だし、二番だし、煮干しだしなどすぐとれるのが特徴です。
特に煮干しだしは手軽に取れるので家庭にはなくてはならない素材ですね。
煮干しは、古くから日本の食文化に根付き、豊富な栄養価や独特の味わい・風味が多くの人々に愛されてきました。
この記事でわかること
- 煮干しについての基本的な知識
- 種類や産地
- 選び方
- 保存方法
- 栄養価
煮干しにまつわる様々な情報を紹介していきます。
また、煮干しには、カルシウム、タンパク質、鉄、ビタミンなどの栄養素が含まれているため、健康にも良いとされています。
煮干しの保存方法は、酸化すると味が落ちるため密閉袋に入れて冷凍が一番適しています。
煮干しをまだ使ったことがない人は、この記事を読んで煮干しを日々の料理に取り入れてくれることを願っています。
365日食事担当FUTATITIが解説していきます。
煮干しとは?
煮干しは、小魚を塩茹でにして干したもので、日本の伝統的な食材の一つです。
鰹節や昆布と共に、日本料理の代表的なだしの素材としても広く用いられています。
カタクチイワシが最も一般ですが、マイワシ、ウルメイワシ、トビウオ、タイ、アジ、サバなどさまざまな種類があります。
イリコ(炒り子)とは違うのと思う方もいますが、呼び名が違うだけで、同じものです。
西日本ではイリコ、東日本では煮干しと主に呼ばれています。
煮干しの歴史
現在の煮干しに近いものは18世紀初頭で、今も生産量が高い瀬戸内海地方で作られていたと言われています。
江戸時代は、かつお、昆布は高級品であったため、庶民には手が届かず、身近な食材の煮干しで出汁をとるのに使われていました。
昔から煮干しは庶民の味方であったことがわかりますね!
煮干しの種類と特徴
煮干しには、カタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシ、トビウオ、タイ、アジ、サバなどさまざまあります。
カタクチイワシ
一般的な煮干しです。煮干しといえばカタクチイワシの煮干しをさします。
長崎が生産量日本一で、香川県伊吹島は上質なカタクチイワシが獲れることで有名です。
マイワシ
マイワシを原料とした煮干しです。(平子煮干しともいいます)
甘味はあるがあっさりとした味わいが特徴です。
ウルメイワシ
ウルメイワシを原料とした煮干しです。
上品でクセがやさしい味わいが特徴であり、そのままでも食べれるが、炙ってお酒のおつまみにも適しています。
トビウオ(あご)
トビウオを原料とした煮干しです。
あごともよばれ九州ではお雑煮のだしにも使われ、上品で甘味があり、品のある味わいが特徴です。
タイ
鯛を原料とした煮干しです。
鯛特有のすっきりとした上品な味わいが特徴であり、お吸い物はもちろん鯛ラーメンなどにも使われます。
アジ
小さい真鯵が原料の煮干しです。
臭みがないあっさりとした甘味がある味わいが特徴であり、苦味がなくそのまま食べてもおいしいです。
サバ
小さめのサバを原料にした煮干しです。
あっさりとした味わいながら、コクがあるのが特徴であり、そのまま食べてもおいしいです。
煮干しの代表的な産地と特徴
煮干しの代表的な産地は、長崎、広島、香川、愛媛、千葉、熊本などがあります。
長崎は生産量日本一であり、香川の伊吹島は上質なカタクチイワシが取れることで有名です。
白口煮干し 青口煮干しの違い
カタクチイワシの煮干しには白口と青口の違いがあります。
白口とは背中の黒いところが薄いものなど全体的に白っぽく仕上がっているものです。長崎や瀬戸内海で取れるものがこちらにあたります
青口とは背中のところが黒っぽく、全体的に黒っぽく(青っぽく)仕上がっているものです。関東や日本海で取れるものがこれにあたります。
この違いははっきりとしたことはまだわからないみたいですが、海のプランクトンの質や海の色などにより、違いがうまれるのではないかと言われています。
味の違い
- 白口煮干し
- 上品で柔らかく、甘味がある味。
- 青口煮干し
- 力強く、コクがある味。
西日本では白口が好まれ、東日本では青口が好まれると言われています。
ラーメンなどには力強い青口、うどんだしには上品な白口などがあいますね。
煮干しの選び方・保存方法
見分け方や選び方のポイント
煮干しは種類や産地によって味や香りが異なります。
白口は上品で甘味があり、青口は力強く、コクがあります。
選び方のポイントは、大きさや形、色などがあります。
大きさや形は、種類によって異なりますが、大きなものほど味が濃く、小さいものほど風味が豊かです。
見分けポイント
形は背中が軽く「くの字」に曲がっているものが、鮮度がいい魚を加工している目印になります。
色は、傷ついていなくうろこがきれいなものは銀色に輝いています。
お腹のあたりが黄色くなっているものは酸化が進んでいるので臭みや味があまりよくありません。
酸化防止剤の添加・無添加
煮干しにとって酸化が一番の敵になります。酸化により、味や品質が落ち脂焼けの原因になります。
酸化防止のために防止剤のビタミンなどが添加されているものがあります。
加工時に鮮度がいいものなどは酸化スピードが遅く、無添加で提供されているものもあります。
煮干しの保存方法
煮干しは乾物であるため、湿気に弱く、酸化が進みます。適切な保存方法を選ぶことが大切です。
冷凍保存が一番適しており、保存する場合は煮干しを密封袋に入れて冷凍庫にしまってください。
凍らせることで風味や栄養が落ちにくく、長期保存が可能です。
煮干しの場合は冷凍保存でもそのまま使えるので、鍋に水、煮干しを直接入れてそのまま火にかければおいしいだしが取れます。
冷凍でも解凍そのまま使えるのが手軽でいいですね。
冷蔵保存の場合は、煮干しを密封袋に入れて保存し、保存期間は冷凍保存に比べて短いので気をつけてください。
冷凍庫がいっぱいで保存できない場合は、常温保存より冷蔵保存をおすすめします。
煮干しの栄養
煮干しは、塩茹でにして干すことで、旨みや栄養素を濃縮した食材です。
カルシウム、ビタミンD、たんぱく質、鉄分などが含まれており、栄養価が高いとされています。
カルシウム
煮干しにはカルシウムが多く含まれており、牛乳の約20倍もあり、100g中2200mg含まれています。
カルシウムは骨や歯を維持するための大事な栄養素です。
現代人には不足なものになりがちですので特に気になるかたはだしではなく、そのまま食べることもおすすめします。
食べる煮干しおすすめ3品
ビタミンD
カルシウムの吸収を助けるがビタミンDであり、煮干しは100g中18.0μg含まれています。
カルシウムの吸収に役立つビタミンDなどはだしにはあまり溶けでないのでそのまま食べるとより効率よくカルシウムも吸収できます。
たんぱく質
タンパク質は、人間の臓器や筋肉などを作る働きがある成分であり、煮干しは100g中64.5gとかなり多いです。
鉄
人間に必要なミネラルの一種であり、煮干しには100g中18.0mg含まれています。
鉄が不足すると貧血を引き起こし、頭痛や疲れやすいといった症状がでやすくなります。
煮干しの使い方
煮干しはだしや佃煮、そのまま食べたりと幅広く使われます。
代表的な使い方は、出汁を取ることです。
煮干しを使っただしは、深みがありコクがあり、寝る前などに水に浸し冷蔵庫に入れれば、朝すぐに煮干しだしを使うことができます。
味噌汁、うどんだし、そばだし、ラーメンなどいろいろな出し汁にも使われます。
だしをとるだけではなく、煮物、炒め物、味噌汁などにはそのまま入れて味をだし、その煮干しもそのまま食べても美味しく、栄養も豊富に吸収できます。
頭とワタはとる?
本などでは出汁をとるときなどは頭とワタを取り除くと書いてあります。
しかし必ずしもそうとは限りません。
新鮮で状態がいい煮干しの場合はそのまま使っても臭みもなく栄養もたくさん取れるので煮干しの状態によって頭とワタと取り除くことをおすすめします
昔は流通、保存性などで現代よりも進んでいなかったので、状態がわるく酸化しやすい頭とワタを取り除くことを推奨されてきました。
現在は流通も保存性もよく、酸化しにくくなったのでそのまま使用しても問題ありません。
あまり気にせず、気になる方はとるで平気です。
煮干しに関するQ&A
Q1: 煮干しと田作りの違いはなんですか?
A: 煮干しは字の通り、塩水で茹でて干したもの。田作りは煮ないでそのまま干したもの(素干し)です。
見た目の違いは目の色になります。茹でて火を通すと目が白くなり、そのまま干した田作りは黒いままです。
Q2. 煮干しの旨味は何ですか?
A. 煮干しには、旨味成分のイノシン酸がたくさん含まれています。
加工に使ったカタクチイワシの鮮度がいいものであればあるほどイノシン酸は多いです。
Q3. 煮干しはなぜ煮てから干すのですか?
A. 生の魚の体内では様々な消化酵素が働いて、死ぬと旨味のもとであるアミノ酸が生成されますが、時間がたつとやがてそのアミノ酸も分解がされてしまいます。その分解を抑えるために酵素の活動を煮て、止めます。
まとめ
煮干しの種類、選び方、保存方法、栄養について書いてきました。
煮干しは、日本の伝統食材の一つであり、だしや料理の風味豊かにするために欠かせない存在です。
また、低脂肪で高たんぱく、ミネラル、カルシウムが豊富に含まれ、健康にも良い食材です。
産地や大きさ、見た目などで味や匂いなども違います。
西日本は白口煮干し、東日本は青口煮干しであり、白口煮干しは上品で甘味があり、青口煮干しは力強く、コクがあります。
煮干しは酸化が一番の敵であるので、保存方法は冷凍保存が一番適しており、冷凍のまま使っても問題ないのが特徴です。
煮干しは、だしをとる以外にも煮もの、炒めもの、味噌汁などに直接入れて使かえ、そのまま食べることもできます。
最後に、煮干しの魅力は、栄養価が高いだけでなく、香りや味も豊かな点にあります。
昔から家庭の味方な煮干しの選び方や保存方法、そして使い方を覚えることで毎日の生活に生かしてください。
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