昔から食べられている塩鮭。最近は減塩傾向で昔ながらの辛口塩鮭が敬遠されているとも聞きます。
辛口塩鮭はただ辛いだけというわけではなく、干して乾燥させ熟成されて旨味、風味また塩もまろやかになってなんとも言えない味わいの鮭になっています。
人気のある甘塩は熟成をさせず塩水につけてその後冷凍する方法を取られ、熟成の旨味や風味などは味わえません。
そのかわり生魚に近い味やふっくら感を味わえます。
もし塩鮭が嫌いなお子さんがいた場合は、塩の薄い甘塩を食べて魚くささを感じている子もいるかもしれません。
たくさんの塩をして臭みをぬいて、独特の旨味、風味がある昔ながらの作り方の塩鮭なら好んで食べられるかもしれないですね。子供の味覚は意外に鋭いので少しの生くささを感じてしまうものです。
この記事でわかること
- 塩鮭の種類
- 塩鮭の選び方
- 塩鮭を使った料理
について詳しく解説します。
焼く、煮る、汁ものだしにも使える塩鮭、冷蔵庫に入れておけばいつでも使え、焼いておけばさらに日持ちもし、いろいろな料理にも使えます。
お弁当や塾弁にも役に立つ塩鮭の魅力について詳しく解説します。
プロフィール
- 40代で料理系の仕事20年以上。
- 調理師免許所時。野菜ソムリエ。
- 小学生双子の父親で料理を毎日担当。
- 3年間受験にむけて頑張っている子供の為に料理を日々勉強中。
塩鮭の特徴と種類
塩鮭とは伝統的な保存食
塩鮭は、日本の食卓で親しまれる伝統的な保存食品です。
原料となる鮭に塩を振り、保存性を高めながら独特の風味を引き出した食品であり、そのまま焼いて食べれたり、さまざまな料理の材料として使われます。塩分濃度によって味や食べ方が異なります。
塩鮭の種類
塩鮭には種類があり、それぞれ製法や風味、旨味が異なります。
種類は3種類
- 新巻鮭
- 山漬け鮭
- 塩引き鮭
新巻鮭
現代の新巻鮭は、鮭の内臓とえらを取り除き、塩をしてそのまま冷凍をしたものです。
塩味が控えめで魚本来の甘みや旨みを楽しむことができます。
塩分をあまり取りたくない方などに人気がありますね。
山漬け鮭
山漬け鮭とは、昔の新巻鮭のことで鮭の内臓とえらと取り除き、鮭の身にたくさんの塩をまぶし、重石をして山のように積み上げたものです。
3日〜1週間ほどおいて洗い、その後塩抜きして出来上がり又は干して出来上がりです。
旨味とコクが凝縮した味わいが特徴です。塩気が強く、深い旨みが特徴で、保存性にも優れています。
作り手によって味や旨味、風味など変わりますので好みのお店を探すのも楽しみの1つ。
塩引き鮭
塩引き鮭は、新潟県村上市で作られている新巻鮭です。
鮭の内臓とえらを取り除き、鮭の身にたくさんの塩を刷り込みます。1週間ほど置いて熟成させ、流水につけて塩抜きをします。
その後日本海の寒風下で1〜3週間ほど干します。村上独特の気候風土により、熟成し旨味が凝縮した独特の味わいがある塩鮭です。
村上市の風土が作り出す塩鮭。一度食べるとやみつきになります。
塩鮭の選び方
塩鮭を選ぶ際は、塩加減や鮭の種類に注目しましょう。
辛口は塩分が強く、中辛はバランスが取れ、甘口は塩味が穏やかです。
白鮭は脂の少ない淡白な味わい、紅鮭は脂がのっていて濃厚な味が特徴です。これらの違いを知ることでお好みの塩鮭を見つける参考になります。
辛口・中辛・甘口
辛口
塩鮭の辛口は塩分が強く、保存性が高いです。
熟成された塩鮭ならただ辛いだけではなく旨味やコクがあり、塩鮭は辛口が一番という人がいるくらいです。
昔は少しの塩鮭でご飯を何杯も食べていたりしていました。その他に塩抜きして粕汁、三平汁などに使用し旨味がある汁物になります。塩分濃度は約8%前後になります。
昔ながらの塩鮭を好む人には特に人気があり、汁物に使用する時は塩抜きをして使用します。少しの鮭でご飯がたくさんいただけます。
中辛
中辛は塩気と旨みがバランスよく、塩抜きの手間も少ないことから、多くの家庭で好まれています。
中辛ならほどよく食べられご飯も進み、汁物にも種類によってはそのまま使用できます。塩分濃度は約5%前後になります。
塩味のバランスがいいので焼いてもおいしく、汁物にもそのまま使える便利さがあります。子供にも食べさせやすいです味です。
甘口
甘口は塩分を控えて鮭本来の風味を活かすタイプで、塩分摂取を気にする方や素材の味を楽しみたい方に適しています。
甘塩は塩が少ないので物によっては魚の臭みが気になる方もいます。旨味やコクなどはあまりないので汁物にはあまりむいていません。焼いてそのまま食べることには適しています。
塩分が気になる方や辛い塩味が苦手な方に人気があります。辛くないので一切れを気にせずいただけます。
白鮭・紅鮭
白鮭
白鮭は身が薄いオレンジ色で、あっさりとした味わいが魅力です。脂肪分が紅鮭よりは少ないため、さっぱりとした味わいを楽しむことができます。
秋鮭や時鮭などと呼ばれているのも白鮭になり、紅鮭よりは少ないがアスタキサンチンも他の魚よりは豊富である。
紅鮭
対照的に紅鮭は身が赤く、脂の乗りがよく、良質なタンパク質があり味は濃いです。
身が赤いので白鮭よりもアスタキサンチンが豊富であり、動脈硬化の抑制やストレス抑制に効果があるとされています。北海道、ロシア、北米などで獲れる。
塩鮭の料理
塩鮭は独特な風味があり、和食の定番料理として多用されます。
焼くだけでなく、汁物、煮物などさまざまな料理に応用することが可能です。伝統的な食べ方からアレンジ料理まで、幅広い楽しみ方があります。
焼き物
塩鮭はまず焼くことが一番おいしいです。皮をパリッとやき、それと同時に表面においしそうな焼き色がつけば中もふっくらと焼きあがります。
切り身が多く食べきれない時もまずは焼いておけば味も落ちずに楽しめます。それからお茶漬け、ふりかけ、焼き飯などに使用できます。
お茶漬け
塩鮭はお茶漬けの具としても絶妙です。焼いた塩鮭をほぐし、温かいご飯にのせてお茶やだしをかければ、簡単で体が温まる一品になります。
子供の夜食にも栄養がある塩鮭なら安心できますね。
ふりかけ
焼いた塩鮭を細かくほぐしてフライパンに少量の油と炒め、水分を飛ばします。
好みで胡麻など加えれば鮭のふりかけの出来上がり。お弁当や塾弁にはもちろん小腹が空いた時のごはんのお供にも最適です。
焼き飯
焼いた塩鮭をほぐし、炒飯の具として混ぜ込むと、ほんのり塩味が効いた焼き飯が完成します。
塩鮭の塩加減によってはご飯に塩をしなくても、塩鮭の味だけで完成できます。ネギなど野菜をたっぷりいれれば栄養満点の焼き飯が出来上がります。
汁物
塩鮭を使った汁物は、その濃厚な旨みが料理全体に広がります。有名な鮭の粕汁、三平汁などがあります。
普段の味噌汁にも使え、塩鮭と水と昆布だけでおいしいお出汁がでた味噌汁ができあがります。
その時は塩鮭からでた塩分を考慮して味噌を加減してくださいね。受験生にとっても栄養満点の汁物ができあがります。
甘塩では塩分が低く、旨味もないので汁物にはむきません。
粕汁
塩鮭を使った粕汁は、深いコクと旨みがあり、ボリュームもあるため、寒い季節にぴったりの一品です。
鮭の旨みが酒粕の風味と絶妙に絡み合い、心も体も温まります。
酒粕とは
酒粕は、日本酒の圧搾と呼ばれる工程後に残った搾りかす。 酒粕には日本酒の原料である米や米こうじ、酵母由来の炭水化物やたんぱく質、ビタミンなどの栄養素が豊富に含まれている。吟醸酒粕、純米酒粕のようにお酒の種類によってかわる。
三平汁
北海道の郷土料理。塩鮭と大根、人参、じゃがいも、ネギなどを水で煮て、鮭の塩分だけで味つけした汁物です。
塩鮭の旨味がある味わい深い汁物をいただけます。
煮物
塩鮭は煮物にも適しており、塩味がしみ込んだ鮭が料理の主役になります。鮭と野菜を一緒に煮込むことで、お互いの味わいが増すほか、見た目にも彩りが加わり魅力的な一皿が仕上がります。
野菜は大根、人参、牛蒡、れんこん、里芋、じゃがいもなどがあい、基本は鮭の塩味で味つけし、お好みで醤油や砂糖、みりんを加えて味付けします。
まとめ
塩鮭はその製法の違いにより、さまざまな味わいを持つ食材である。
正しい選び方を理解し、料理法に応じて活用することで、日本料理の伝統と豊かな味わいを堪能できます。塩鮭の可能性はまだまだ広がり続けていますので、食卓にあげていきましょう。
塩鮭の種類
- 新巻鮭
- 現代の新巻鮭は、鮭の内臓とえらを取り除き、塩をしてそのまま冷凍をしたもの。塩味が控えめで魚本来の甘みや旨みを楽しむことができる。
- 山漬け鮭
- 昔の新巻鮭のことで鮭の内臓とえらと取り除き、鮭の身にたくさんの塩をまぶし、重石をして山のように積み上げたもの。3日〜1週間ほどおいて洗い、その後塩抜きして出来上がり又は干して出来上がり。旨味とコクが凝縮した味わいが特徴。塩気が強く、深い旨みが特徴で、保存性にも優れている。
- 塩引き鮭
- 塩引き鮭は、新潟県村上市で作られている新巻鮭。鮭の内臓とえらを取り除き、鮭の身にたくさんの塩を刷り込みます。1週間ほど置いて熟成させ、流水につけて塩抜きする。その後日本海の寒風下で1〜3週間ほど干す。村上独特の気候風土により、熟成し旨味が凝縮した独特の味わいがある塩鮭。
塩鮭の塩分種類
- 辛口鮭
- 塩鮭の辛口は塩分が強く、保存性が高い。熟成された塩鮭ならただ辛いだけではなく旨味やコクがある。塩抜きして粕汁、三平汁などに使用し旨味がある汁物になる。塩分濃度は約8%前後になる。
- 中辛口鮭
- 中辛は塩気と旨みがバランスよく、塩抜きの手間も少ないことから、多くの家庭で好まれている。中辛ならほどよく食べられご飯も進み、汁物にも種類によってはそのまま使用できる。塩分濃度は約5%前後になる。
- 甘口鮭
- 甘口は塩分を控えて鮭本来の風味を活かすタイプで、塩分摂取を気にする方や素材の味を楽しみたい方に適している。甘塩は塩が少ないので物によっては魚の臭みが気になる方もいる。旨味やコクなどはあまりないので汁物にはむかない。焼いてそのまま食べることには適している。
鮭の種類
- 白鮭
- 白鮭は身が薄いオレンジ色で、あっさりとした味わいが魅力。脂肪分が紅鮭よりは少ないため、さっぱりとした味わいを楽しむことができる。秋鮭や時鮭などと呼ばれているのも白鮭になり、紅鮭よりは少ないがアスタキサンチンも他の魚よりは豊富。
- 紅鮭
- 紅鮭は身が赤く、脂の乗りがよく、良質なタンパク質があり味は濃い。身が赤いので白鮭よりもアスタキサンチンが豊富であり、動脈硬化の抑制やストレス抑制に効果がある。北海道、ロシア、北米などで獲られる。
塩鮭の料理
- 焼き物
- 塩鮭は焼くことが一番おいしい。皮をパリッとやき、それと同時に表面においしそうな焼き色がつけば中もふっくらと焼きあがる。切り身が多く食べきれない時もまずは焼いておけば味も落ちずに楽しめる。焼いた鮭はお茶漬け、ふりかけ、焼き飯などに使用できる。
- 汁物
- 塩鮭を使った汁物は、その濃厚な旨みが料理全体に広がる。有名な汁物に鮭の粕汁、三平汁などがある。普段の味噌汁にも使え、塩鮭と水と昆布だけでおいしいお出汁がでた味噌汁ができあがる。その時は塩鮭からでた塩分を考慮して味噌を加減する。甘塩では塩分が低く、旨味もないので汁物にはむきません。
- 煮物
- 塩鮭は煮物にも適しており、塩味がしみ込んだ鮭が料理の主役になる。鮭と野菜を一緒に煮込むことで、お互いの味わいが増すほか、見た目にも彩りが加わり魅力的な一皿が仕上がる。野菜は大根、人参、牛蒡、れんこん、里芋、じゃがいもなどがあい、基本は鮭の塩味で味つけし、お好みで醤油や砂糖、みりんを加えて味付けする。