【中学受験 料理・行事問題4】おすしの歴史・種類について詳しく解説!

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【中学受験 料理・行事問題4】おすしの歴史・種類について詳しく解説!

近年の中学受験ではおせちの問題やフレンチ料理問題などユニークな問題が出題されます。

例えば以下の問題が過去にありました。

  • 砂糖が、むかしは貴重品であったということ以外に、おせち料理に砂糖がよく使われている目的を1つあげなさい。
  • イワシの加工品が「田作」とよばれる理由を答えなさい。
  • 手作りジャムの瓶の中から空気を抜いて真空状態にすることを何という?

今回はそんな試験問題に出そうなおすしを取り上げます。

世界中で大人気のにぎりずしと巻き寿司。

世界の人はおすしと言えばこの2つを思い浮かぶはずです。日本にはその他にもちらしずし、箱ずし、笹ずし、柿の葉ずし、いなりずし、茶巾寿司などさまざまな素晴らしいおすしがあるとこはまだまだ知られていません。

水を豊富に使用できる日本によりけじめ・衛生概念が生まれ、自然発酵のおすしから生魚を使う今のにぎりずしまで発展してきました。

今回の記事でわかること

  • おすしの歴史
  • おすしの種類

以上のことを詳しく解説していきます。

試験にでる・でないにかかわらず、おすしのことを知っておくのも日本人として大切なことの一つですね。。

お寿司(鮓又は鮨)の歴史

おすしの原型なれずし

お寿司の原型はなれずしと呼ばれ、日本3大なれずしは近江の鮒ずし・吉野の鮎ずし・紀州のなれずしと呼ばれ、自然発酵により作られました。

自然発酵(乳酸発酵)させることにより保存性も高まり酸味のあるお寿司が出来上がります。

なれずしは塩漬けにした魚をご飯と一緒に3ヶ月〜1年おいて発酵させます。

食べ方はなれずしについたご飯を軽くしごきとり3〜5㎜厚に切りそのままいただきます。

生なれずし

室町時代に稲作技術が向上し貴族や武家だけではなく農家でもお米が食べられるようになりました。なれずしに使うご飯も食べないのはもったいなく感じ、発酵にも時間をかけずに食べる生なれずしが誕生しました。

生なれずしは大きい桶にご飯を敷き詰め、開いて塩漬けした魚をかぶせ、蓋と重石をして2週間〜1ヶ月程度発酵させて完成します。

魚にはまだ生っぽさが残っているが、ご飯は程よい酸味が出てきます。

バラずし、五目ちらし

備前の藩主から庶民は一汁一菜を命じられ、それを逃れるために桶の底に魚や野菜を敷き詰めてご飯でかくして粗食を装い、食べる直前にひっくり返して食卓をかざったものがバラずしと呼ばれていたそうです。

五目ちらしは武士が食べていて、桶にご飯をつめ、椎茸、蓮根、高野豆腐、人参、筍を煮たものをかざった料理を五目ちらしと呼んでいました。

箱ずし、笹ずし、柿の葉ずし

魚を切り身にして小さい箱につめて重石をのせて押す箱ずし、殺菌作用がある葉で包んで重石をのせて発酵させた笹ずし、柿の葉ずしも江戸時代に誕生しました。

笹の葉にはビタミンKや安息香酸、クロロフィルなどが含まれています。これらの物質には抗菌、防腐作用があり、食品の保存に適しています。

柿の葉にはポリフェノールの1種であるタンニンが多く含まれ、これが抗菌力を発揮します。

にぎりずし、いなりずし

現在のお酢を使用したお寿司は江戸時代後期に編み出されました。

箱や葉っぱに包んで重石をして待つのではなく、「おにぎりみたいに手でにぎる」「発酵まで時間が待てないので、発酵調味料の酢を使い酸味をだす」などせっかちな江戸っ子の郷土料理の誕生です。

今のように一口サイズではなく、おにぎりほどのサイズも特徴となります。

いなりずしもこの時期に誕生し、人気のおすしの一つでした。三角形のいなりずしは、きつねの耳に似せていて関西に多く、俵形は米俵(豊作を意味している)に似せて関東によくみられます。

手巻きずし

戦後あるお店がすしのハードルを低くし、若者にもっと手軽に食べてもらいたく流行っていたソフトクリームから考えられたのが手巻き寿司

その後手軽さが噂を呼び家庭でも広がりお祝いや集まりの時などに食べられるようになりました。

家庭でできるお寿司

家庭でできるおすしを紹介します。ハレの料理の代表のおすし。きちんと綺麗に仕上げてお祝いの時に作れるようにできるといいですね。

手巻き寿司

家庭で手軽にできる手巻きずし。すし飯さえ作れれば、あとは材料をきれいにお皿に並べるだけです。海苔も炙って4等分に切ります。

具は魚の切り身(鮪、白身魚、いか、たこなど)、茹で海老、卵焼き、いなり揚げ、胡瓜、大葉、梅干し、納豆などお好みのものを綺麗にお皿に並べます。

みんなが取りやすいように工夫して並べるのもいいですね。色々試して盛り付けの幅を広げましょう。

焼き海苔ではなく、自分で炙る焼きたての海苔の味わいを楽しみたい方は乾海苔がおすすめです。焼いていない海苔は最近お店ではみかけないので試してみたい方はこちらがおすすめです。

焼いてない海苔は黒っぽく、焼くとうっすら緑色になります。

いなりずし

家庭のお祝いや外でのお弁当、集まりなどにも食べやすく持っていきやすいのがいなりずし。

いなりずしのいなり揚げさえ炊ければ料理の幅が広がります。普段の食卓のおかずにはもちろん、手巻き寿司の具、うどんの油揚げ(きつねうどん)などいろいろな料理に使えます。

関西はきつねの耳の三角形、関東は米俵の俵形になります。私は関東人ですが、小さいサイズの関西型が好みです。最近は関東でも正方形の油揚げを見かけるので、料理したい方は探してみてください。

ちなみに正方形の油揚げのことをすし揚げとも呼びます。

ちらしずし・茶巾寿司

桃の節句の時やお祝い事に作られるちらしずし。

ちらしずしは、中に混ぜる具と飾る具にわけられ、中に混ぜる具はなじみやすくするために米粒大にみじん切りにします。

具は干し椎茸・干瓢を煮たもの、焼き穴子、魚の塩焼き、しらす、筍、茹で野菜などその時の季節や目的によってかえます。

飾る具は錦糸卵、茹で海老、茹で野菜(インゲン、空豆、豆類、菜の花など)、木の芽、紅生姜、酢蓮根など季節や彩りなど考えて盛り付けます。

ちらしずしができれば、フライパンで丸い薄焼き卵を作り真ん中に丸く握ったご飯を乗せて綺麗に巻けば茶巾寿司になります。

きらいな黄色の茶巾ずしが作れれば来客の時などにも喜ばれます。

太巻き・細巻き

太巻き寿司もお祝い料理の時に作られるハレの日のご馳走の一つになります。

最近は巻くご家庭も少なくなってきました。家庭で作る時は、前日に具の準備をし、当日にすし飯を作って太巻きを作るのが段取りとしてはやり易いです。

難しく面倒と思われますが、具の準備さえ事前にしておけば、当日はすし飯を作りあとは巻くだけなので段取りさえできれば手軽にできます。

太巻きの具は、卵焼き、干瓢、干し椎茸、三つ葉、きゅうり、茹で海老、高野豆腐、焼き穴子、カニなどがあります。その他に焼きサーモン、ステーキ、鶏の照り焼きなど子供の好きな具を巻くのも楽しみですね。

慣れてきて時間に余裕がある時などは、子供といっしょに太巻きを作るのもいい思い出になります。

太巻きは海苔1枚使用し、細巻きは1/2枚使用します。細巻きの具はまぐろ、きゅうり、梅干し、干瓢、納豆などが定番でありますが、好みでチーズ、アボカド、鶏の照り焼き、ステーキ、ハーブなどいろいろ試すのも楽しいものです。

笹ずし・柿の葉ずし

抗菌作用のある笹で巻いたのが笹ずしであり、柿の葉で巻くのが柿の葉ずしになります。奈良の柿の葉ずしはよく売られているので有名ですね。

家庭では作れないと思われていますが、笹の葉と柿の葉さえ手に入れば意外に手軽に作れます。最近ではネットで購入できるので興味がある方は作ってみてください。

笹ずしも長野や新潟などの郷土料理ですし飯の上に山の幸の具材をのせたものや一口大のすし飯と〆た魚を笹で巻いた笹ずしがあります。

どちらもおいしいのでおすすです。

笹の葉

柿の葉

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手まり寿司

魚やたくわん、えびなど具を一口大に丸めたすし飯と丸くまとめたものを手まりずしといいます。手毬ににていることから手まりずしと呼ばれました。

にぎりずしより簡単でかわいらしいのでお祝いの時やパーティーなどでも喜ばれます。ガーゼやラップなどを使用し丸くまとめるとやり易いでしょう。

具材は鮪、白身魚、茹で海老、小鯛の笹漬け、スモークサーモンなどいろいろとできます。

にぎりずし

慣れていないと一番難しいのがにぎりずしになります。好きな具を好きなだけ食べれるので家庭でにぎりずしを作るのもいいものです。

慣れてしまえばネタのお刺身はサクで購入するだけなので、あとはすし飯を作るだけです。

ネタの切り方や握る手のコンディションさえうまくいけばそこそこのものはできるはずです。本格的に生ワサビを購入すれば上等なにぎりずしが出来上がります。

まとめ

おすしの歴史種類を紹介してきました。身近なおすしの知識を入れて試験、生活に役立てましょう。

おすしの歴史

なれずし
お寿司の原型はなれずしと呼ばれ、日本3大なれずしは近江の鮒ずし・吉野の鮎ずし・紀州のなれずしと呼ばれ、自然発酵により作られた。自然発酵(乳酸発酵)させることにより保存性も高まり酸味のあるお寿司が出来上がる。なれずしは塩漬けにした魚をご飯と一緒に3ヶ月〜1年おいて発酵させる。
なまなれずし
室町時代に稲作技術が向上し貴族や武家だけではなく農家でもお米が食べられるようになり、なれずしに使うご飯も食べないのはもったいなく感じ、発酵にも時間をかけずに食べる生なれずしが誕生した。
生なれずしは大きい桶にご飯を敷き詰め、開いて塩漬けした魚をかぶせ、蓋と重石をして2週間〜1ヶ月程度発酵させて完成せる。
魚にはまだ生っぽさが残っているが、ご飯は程よい酸味が出ている。
バラずし・五目ちらし
備前の藩主から庶民は一汁一菜を命じられ、それを逃れるために桶の底に魚や野菜を敷き詰めてご飯でかくして粗食を装い、食べる直前にひっくり返して食卓をかざったものがバラずしと呼ばれていた。
五目ちらしは武士が食べていて、桶にご飯をつめ、椎茸、蓮根、高野豆腐、人参、筍を煮たものをかざった料理を五目ちらしと呼んでいた。
箱ずし・笹ずし・柿の葉ずし
魚を切り身にして小さい箱につめて重石をのせて押す箱ずし、殺菌作用がある葉で包んで重石をのせて発酵させた笹ずし、柿の葉ずしも江戸時代に誕生した。
笹の葉にはビタミンKや安息香酸、クロロフィルなどが含まれている。これらの物質には抗菌、防腐作用があり、食品の保存に適している。柿の葉にはポリフェノールの1種であるタンニンが多く含まれ、これが抗菌力を発揮する。
にぎりずし・いなりずし
現在のお酢を使用したお寿司は江戸時代後期に編み出された。箱や葉っぱに包んで重石をして待つのではなく、「おにぎりみたいに手でにぎる」「発酵まで時間が待てないので、発酵調味料の酢を使い酸味をだす」などせっかちな江戸っ子の郷土料理の誕生。今のように一口サイズではなく、おにぎりほどのサイズも特徴。いなりずしもこの時期に誕生し、人気のおすしの一つ。三角形のいなりずしは、きつねの耳に似せていて関西に多く、俵形は米俵(豊作を意味している)に似せて関東によくみられる。
手巻きずし
戦後あるお店がすしのハードルを低くし、若者にもっと手軽に食べてもらいたく流行っていたソフトクリームから考えられたのが手巻き寿司。その後手軽さが噂を呼び家庭でも広がりお祝いや集まりの時などに食べられるようになった。