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6月になると夏野菜がぐっと美味しくなり、気温もぬか漬けに適した20℃以上になります。
米糠と塩だけで美味しく食べられるぬか漬けは、発酵の力がものをいいます。
ぬか漬けが生まれたのは庶民に白米が食べられるようになった江戸初期になります。白米が流行ると同時にビタミンB1不足になり脚気も生まれてしまいました。
そこで捨てていた米糠に生野菜を漬けて米糠の栄養を生野菜に移すことを考えられたのが、ぬか漬けの最初だと言われています。
その通りにぬか漬けに生野菜を漬けるとビタミンB1が約10倍にもなることがわかっています。昔の人の知恵はすごいですね。
その他にもビタミンE、フィチン酸、イノシトール、γ―オリザノールなど含まれています。
今回の記事でわかることは
- ぬか漬けの菌について
- ぬか漬けの効果
- おいしく維持するポイント
- ぬか漬けの野菜
など詳しく解説します。
自家製ぬか漬けをうまくつけて毎日の食卓を豊かにしましょう!ぬか漬け名人を目指してくださいね。
20年漬けているコツ、ポイント教えます。
ぬか漬けと菌
ぬか漬けは米糠と塩水
ぬか漬けは、容器に米糠と塩水(塩と水をひと煮立ちさせて冷ましたもの)を混ぜて発酵させたものです。
最初は乳酸菌が15%しかいなく、そのほかの土壌細菌が80%以上もいます。まずは塩の力で雑菌を取り除き、ぬか漬けのおいしい素の乳酸菌、酵母菌、酪酸菌を増やしていきます。
そうして複雑で風味豊かなぬか床が出来上がります。
ぬか漬けの菌
ぬか漬けは主に、乳酸菌と酵母菌(産膜酵母)、酪酸菌の力でおいしくなります。
産膜酵母と酪酸菌で独特の香が発生し、乳酸菌でぬか漬けの味わいが決まります。
産膜酵母
表面には、酸素があるところで生きて増殖する産膜酵母が多くいます。ぬか漬けをかき回さないと産膜酵母が増殖し表面が変色します。
最初の頃はあまりいないので変化はありませんが、漬けているうちに表面が変色していきます。変色し始めたら産膜酵母が増殖し、おいしくなっているサインです。
ただ増殖しすぎると、ガソリン臭やカビ臭というなんとも言えないにおいが発生していきますので夏場などは天地をひっくり返し(表面と底を混ぜる)、空気が少ない底の方に混ぜてあげます。
独特の香は、産膜酵母による糖質、アミノ酸発酵により生まれます。
乳酸菌
中間には酸素を好まない乳酸菌が多くいます。乳酸菌の糖質発酵により、ぬか漬けの独特の味わいが生まれます。
ただし水分が多くなることやかき混ぜなかったりすると、乳酸菌が多くなり酸味が強くなる原因になります。
酪酸菌
底には酸素がないところで生きて増殖する酪酸菌がいます。底から混ぜずにおいておくと酪酸菌が増えすぎ、臭い靴下臭みたいないやな匂いが発生してしまいます。
そのため1日一回は底から混ぜて空気を入れてあげて増殖を抑えます。酪酸菌による糖質、アミノ酸発酵により独特の香りが生まれます。
ぬか漬けの効果
ビタミンB1が豊富に取れる
ぬか漬けは米糠を塩水と混ぜて野菜をつけて発酵させたものです。米糠にはビタミンB1が豊富に含まれています。
生野菜をぬか床に漬けるとビタミンB1が約10倍にもなることがわかっています。
その他にも米糠には抗酸化作用があるビタミンE、血栓症を予防するフィチン酸、カルシウムの吸収促進・コレステロール血症の改善効果があるイノシトール、自律神経失調症・更年期障害・潰瘍などに効果があるγ―オリザノールなども含まれています。
腸内環境の改善
ぬか漬けには善玉菌の乳酸菌、酵母菌、酪酸菌が豊富にあり、腸内環境とは善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7の割合がいいと言われています。
ぬか漬けには善玉菌が豊富にありますので、食べることにより腸内環境を整える手助けをしてくれます。
腸内環境の改善でおきること
腸内環境の改善でおきることは免疫力が高まり、アレルギー予防、整腸作用、疲労回復などが起きます。
特に免疫力が高まることにより健康効果が高まります。子供には体調管理は大切ですので善玉菌が豊富なぬか漬けをとることは、体にとっても大切な食べ物と言えます。
ぬか漬けをおいしく維持するポイント
ぬか漬けは乳酸菌、酵母菌、酪酸菌の他に30種類以上の細菌によって構成されています。ぬか漬けの味は細菌の種類によって変わり、その細菌によってそれぞれの家庭の味になります。
混ぜる回数
30度以上の夏場はは、1日2回は最低でも底から混ぜることが必要です。
夜漬けたものを朝取り出す、そしてまた夜漬け込むとすればおのずと2回になります。
その時意識的に底から空気を入れるようにかき混ぜると産膜酵母、乳酸菌、酪酸菌の発酵がおさまります。かき混ぜないで発酵しすぎると酸味が出て、臭い匂いが発生してしまいます。
塩分濃度を一定にする
野菜をつけて浸透圧の関係でぬか床の塩気、旨みが野菜に移動し、逆に野菜の水分がぬか床に移ります。
そのため漬けていくとぬか床の塩分は下がっていき、水分で柔らかくなります。塩分が下がってしまうと雑菌も湧きやすくなりますので塩を足して塩分を一定にしてあげます。
おいしい時のぬか床を味見し、おいしい塩分を覚えておき、塩を足すときの目安にします。おいしいぬか床は食べてもおいしいですよ。
水分調整
野菜をつけると水分がでてきてぬか床は柔らかくなってきます。水分が多いと発酵がすすみやすく、酸味も出やすくなります。
水分を取り除くと酸味は薄まります。水分が多い時は、表面に布巾をおいて重しをし時間をおくと布巾が水分を吸ってくれるので絞って除きます。
糠と塩を足して、柔らかさと加減する方法や水分を除く道具(ぬか漬け用水取り器)もありますのでいろいろ試してみてください。
容器選び
容器によってもぬか漬けの維持のしやすさが違います。合成樹脂よりは温度変化や空気を通す陶器製のカメなどの方がうまく漬かります。
安定のしやすさでは陶器製のカメにはかないません。
その他にホーロー製の漬物容器も熱伝導率がよく、匂いがつきづらいなど漬物の容器にいいと聞きます。いろいろ試してみて自分に合った漬物容器を見つけてくださいね。
酸味の調整
漬けていき、水分量が多く柔らかくなることや塩分濃度が下がってくる、かき混ぜ頻度が少なくなるなどするとすぐに乳酸菌が多くなり酸味がでてきます。
ぬか床は生きていますので維持するのは大変ですが、そこが楽しみでもあります。
酸味がでてきた時は水分を除き、新しい米糠・塩をたしてちょうどいい硬さにすると酸味のない状態に戻ります。
塩以外に入れるもの
米糠、塩水以外に隠し味として、昆布、干し椎茸、赤唐辛子、ビール、卵の殻など入れる方などいます。
基本的に米糠の発酵の風味と味わいを楽しむものが、ぬか漬けのおいしさなので入れない方が素直なぬか漬けが味わえます。
素材が多くなるほど、管理や雑菌が増える可能性が高くなり腐敗臭がしてくるので、慣れていないうちは入れないことをおすすめします。
清潔にたもつ
ぬか床は綺麗に保つことにより、乳酸菌、酵母菌、酪酸菌の働きを助けます。
混ぜた後は縁についた糠を専用の布巾で綺麗に拭き取り、ぬか床の表面にかぶせて重し、蓋をします。重しをする理由はぬか床の水分・塩分調整の役割があります。
長期は冷蔵庫
旅行などで家を空けるときなどは冷蔵庫に納め、発酵を止めておきます。
1週間くらいならそのまま冷蔵庫に入れても問題はありませんが、1ヶ月以上置く場合などは布巾、重しをはずし表面に塩をかぶせるかぬか床の塩分濃度を少し高めにしておきます。
長期に冷蔵庫に置く時は、古漬けの野菜も全て取り出すのことも忘れないようにしてください。
ぬか漬けの野菜
ぬか漬けは夏においしい漬物なので夏野菜が基本になります。
きゅうり
水分がありカリウムなども豊富な胡瓜。ぬか漬けの主役の野菜の1つです。
売っていれば皮の柔らかいブルーム胡瓜がおすすめ。ブルームきゅうりは表面が白い粉をふいている胡瓜です。この白い粉により水分の蒸発と皮が固くなるのを防いでくれます。
茄子
茄子ももう1つの主役の野菜の1つです。夏場は皮が柔らかい茄子が出回り、水分も多くおいしさは格別です。
茄子を漬けると何もしないと茄子の色が落ちて茶色になってしまいます。茄子の紫色はアントシアニン色素によるものであり、水溶性なのでそのまま漬けたりすると色がぬか床に流れてしまいます。
それを防ぐ方法は、ミョウバンと鉄分になります。昔はぬか床に釘を入れたりしていました。今の釘は気をつけないと錆止めがしてある釘があるのであまりおすすめはできません。
市販品でぬか漬け用の鉄の塊が売っていますのでそちらをおすすめします。
もう一つは茄子にミョウバンをすりつけて漬ける方法です。ミョウバンのアルミニウムと茄子のアントシアニンが結合して色が安定します。
ただしミョウバンは添加物ですので大量摂取には気をつけてください。
白瓜
夏になると出てくる白瓜。秋や冬には出回らないので夏にしか食べられない漬物になります。
半分に切り種をスプーンで除き、少し干してから漬けると歯ごたえが出やすくなります。
茗荷
7月になると柔らかく味もよい露路茗荷が出てきます。この時期しか味わえないので是非ぬか漬けに漬けてみてください。
味の違いに驚きます。
大根、人参
冬の根菜ですがぬか漬けでも美味しくいただけます。大根・人参とも皮を剥いた方が、塩が入りやすく感じます。
大根は半分に切り、少し干してから漬けた方が、歯ごたえがでます。人参も薄く皮をむき、太いところは半分にきり、細いところはそのまま漬けます。